ジュエリーを作るとき、地金を直接加工する、WAXという素材を加工して鋳造する、というのが基本的な制作方法です。
地金加工では、糸鋸で切る・ヤスリで削る・ロー付けなどの基本的な技術に加え、石留、彫金や鍛金などがあります。それぞれの技術は奥が深く多方面の知識も必要です。
ただすべてを学び熟練しないと作れないというものでもありません。学んだ技術を応用しながら少しずつ制作の幅を広げていくことができます。
ウィステリアの教室では経験を積んだ講師が学ぶ方に合わせた指導をしていきます
デザイン
制作前に何を作るかイメージします。
きちんとしたデザイン画でなくても必ずデザイン画は描いた方がいいでしょう。
それによってどのような手順で作るか考えられ、必要な材料を準備します。
作りながら考えていくこともありますが、初めにイメージをふくませることはとても大切です。
切る やする 曲げる
糸鋸で正確に切ったり、やすりでまっすぐ削ったり、ヤットコで様々な形に曲げたり、これらは基本的な作業で思い通りに道具を使いこなせることが基本です。
ジュエリーで使う工具はとにかくたくさんありますが、適切な道具がない場合は作ることもあります。
透かし
ドリルで穴を開け糸鋸で透かしていくとても繊細な作業です。
基本の技術ですが透かし方によって様々な美しい表現が可能です。
圧延
ローラーという道具で地金を薄く伸ばしたり、角棒を細くしたりします。
制作に必要な幅や長さに合わせて板材や角材を作ります。
線引き
線引き板という道具を使っていろいろな形状の線を作ります。
必要に応じて太い線から細い線まで作ることができます。
叩く
金槌、木槌、プラスティックハンマーなどを使って金属を成形していきます。
形を整えたり、伸ばしたり、模様(テクスチャー)をつけたりもします。
ロー付け
金属と金属を、バーナーを使い高温でロー材を溶かし接合することをロー付けと言います。
基本的な技術ですが、火加減や火を当てるタイミングを調整したりするには経験と要領が必要です。
磨き
磨きはジュエリーの最終仕上げです。
クオリティを高めるために、最終段階だけでなく組み立て途中でも下磨きをしていきます。
一つ一つの作業の完成度によって出来上がりのクオリティが変わるので大切な作業です。
溶解
バーナーを使って高温の炎でシルバーや金、プラチナ地金を溶かし、空け型に流し地金の塊を作ります。
必要なパーツによってどういう形の地金を作るか考えて流します。
石留め
様々な石の形に合わせて石座を作り、全体を組み立てたあと最後に石を入れて石留めします。
石留には爪留め、ふくりん留め、彫り留めなどいろいろな方法があり、宝石の知識も必要です。
彫り
よく使われる彫金という分野の技法です。
彫りは和彫りと洋彫りがあり、道具とやり方は違いますが金属を鏨(タガネ)で彫っていく点では同じです。
金属の表面に模様を入れていくことでより緻密なニュアンスを加えることができます。
打ち出し
金槌と鏨を使って金属の板を叩き出していきます。
鍛金という技法は器や立体造形物を作ったりしますが、ジュエリーでも使われる技術です。
薄い板を打ち出すことによって、軽くてもより立体的な表現ができ、線で模様を入れたりすることもできます。
ハードWAX
WAXとは蝋の塊で、ヤスリ等で容易に削ることができるので金属加工では難しい立体的な形や具象等の作品ができます。
容易に削れるため金属とは別のテクニックが必要です。
ソフトWAX
ハードワックスよりも低温で加工が可能なワックスです。
板状や線状になっているものを手で成形したりできます。
鋳造(キャスト)
ワックスを様々な金属に置き換えるための工程です。多くの場合業者に依頼してキャストしてもらいます。
ゴム型を作ってもらうことで量産することもできます。